因州和紙は古くから鳥取県東部の旧国名、因幡の国で生産される手すき和紙の総称です。
現在では、鳥取市佐治町と鳥取市青谷町で受け継がれています。
この内、青谷町は鳥取市の最も西側に位置し、日本海に沿って多くの海水浴場がある自然豊かな町です。
古くから因州和紙の産地として知られていますが、弥生時代の集落跡「国史跡青谷上寺地(かみじち)遺跡」なども有名で、青谷町は2000年前の弥生時代には海を通した交流の拠点として栄えていたことがわかっています。
また、特産の因州和紙は、鳥取藩の御用紙として保護奨励され、青谷町日置の地で盛んに生産されました。
因州和紙は産地によって原料が異なり、青谷町では主に楮(こうぞ)を原料としています。
昭和50年に和紙としては全国で初めて「経済産業大臣指定伝統的工芸品」に指定され、さらに翌年8月には「因州青谷こうぞ紙」が鳥取県無形文化財に指定されました。