創作に応える紙。 ― 寒漉純因州楮「青谷」 ―
和紙という言葉から、どのような質感や風合いを想像されるでしょうか。
その想像を一歩先へと導く存在が、鳥取県青谷町で漉かれる和紙「青谷」です。

この紙に使われているのは、地元で栽培された純国産の「青谷楮(こうぞ)」。
現在では国産楮の流通量はごくわずかであり、その中でも青谷産は特に希少な存在とされています。

冬の寒さが繊維を引き締め、清らかな水がその質をさらに高める―
紙づくりにこれほど適した条件が揃う土地は多くありません。
紙を漉くのは、伝統工芸士・長谷川憲人氏。雪が舞うような寒さの中で行う「寒漉き」により、不純物は自然に除かれ、紙本来のしなやかさと透き通るような白さが際立ちます。
手がけられるのは約75×141cmの四尺判サイズ。
大作にも十分対応する、存在感のある一枚です。

その実力は、ただ美しいというだけにとどまりません。
使う人の技法と創造性を支える、実用性の高さこそが「青谷」の真価です。
・書道では、楮の繊維が墨を的確に受け止め、線の表情を損なうことなく伝えます。
・版画では、圧をしっかり受け止め、細部の凹凸まで正確に再現。
・照明やインテリアに使うと、紙の繊維が光をやわらかく透かし、空間に穏やかさを添えます。
・保存性にも優れ、酸化や変色に強く、長期保存に適した仕様。
この和紙を漉く長谷川製紙は、四代続く和紙工房です。
1900年(明治33年)、會祖母が和紙を漉いていた実家から独立して創業。その志を継ぎ、二代目の祖父・国義(元伝統工芸士)、三代目の父・憲人(現・伝統工芸士)が家業を支えてきました。現在では、四代目となる息子・豊が父と共に事業を担っています。

良質な原料を選び抜き、多くの工程に手間と労力を惜しまず取り組むことを基本にし、時代とともに移り変わるニーズに応えながら、新たな用途にも挑戦。継続可能な“手仕事”を目指して和紙づくりに取り組んでいます。
紙と真剣に向き合い、そこに想いを込めて表現を続ける方にこそ、
「青谷」は確かな応答を返してくれるはずです。
「青谷」と向き合う時間が、創作そのものの本質に立ち返るきっかけとなるかもしれません。
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令和6年厳冬 伝統工芸士 長谷川憲人 作。鳥取市青谷町の自然豊かな町を流れる清流によって育まれた純国産の希少な青谷楮を使用。真冬の厳寒期に伝統工芸士 長谷川憲人が寒漉きにより、渾身のわざと想いで仕上げた四尺判の大判和紙
内容量:1枚 ※見本紙付き
サイズ:約750mm×1410mm
他内容品:説明書 1枚 / シリアルナンバー付き原料畑の座標記載カード1枚 / あおや和紙工房 紙漉き体験チケット 1枚
◆いちしについて